帰化許可申請の条件について

行政書士法人Fineの関岡です。

Ⅰ.帰化とは

帰化とは,日本国籍の取得を希望する外国人からの意思表示に対して,法務大臣の許可によって,日本の国籍を与える制度です。

日本では二重国籍が認められていないため、外国人は本国での国籍を失うことになります。帰化が認められた外国人は、選挙権や被選挙権を与えられ、就労に関する制限はなく、公務員などの職に就くことも可能です。また、日本のパスポートを持つため、ビザの更新も必要なく、強制退去させられることもありません。

Ⅱ.帰化許可申請の条件

帰化許可申請の条件には,次のようなものがあります。また,これらの条件を満たしていたとしても,必ず帰化が許可されるとは限りません。これらは,日本に帰化するための最低限の条件を定めたものです。

1.住所に関する条件

適法な在留資格に基づき、帰化の申請をする時まで引き続き5年以上日本に住んでいることが必要です。

2.能力に関する条件

年齢が20歳以上(2022年4月1日以降は18歳以上)であって,かつ,本国の法律によっても成人の年齢に達していることが必要です。

  3.素行に関する条件

素行が善良であることが必要です。素行が善良であるかどうかは,犯罪歴の有無や態様,納税状況や社会への迷惑の有無等を総合的に考慮して,通常人を基準として,社会通念によって判断されることとなります。

4.生計に関する条件

生活に困るようなことがなく,日本で暮らしていけることが必要です。この条件は生計を一つにする親族単位で判断されますので,申請者自身に収入がなくても,配偶者やその他の親族の資産又は技能によって安定した生活を送ることができれば,この条件を満たすこととなります。

5.二重国籍防止に関する条件

原則として、帰化によって本国に有していた国籍は失われます。

6.憲法遵守に関する条件

日本の政府を暴力で破壊することを企てたり,主張するような者,あるいはそのような団体を結成したり,加入しているような者は帰化が許可されません。

なお,日本と特別な関係を有する外国人(日本で生まれた者,日本人の配偶者,日本人の子,かつて日本人であった者等で,一定の者)については,上記の帰化の条件が一部緩和されています。

以上の条件を満たす場合であっても、実際に帰化許可申請を行った後に、実際の許可を受けるまで、約1年程度の時間がかかります。